3. 主な活動
CEMASTEAにおけるSMASSEの日常業務について、具体的な活動の様子をご紹介します。
本プロジェクトが、ケニアの中等教育現場にとって魅力的なものとなるために 最も重要な活動と言えます。 日本の教育行政経験の豊富な武村専門家がリーダーシップをとり、以下のASEI授業を提唱しています。
現職の理数科教員がこうした授業をするようになって、生徒達が 理科や数学の授業に楽しく取り組むようになり、好きになり、学力が向上する・・・ その様子に刺激を受けた教員はより良い授業を目指し、さらに授業の改善・工夫を試みる・・・ というシナリオを描き、では具体的にどのような教材を準備して、どのような授業を 行ったら良いのか、こうした命題を頭に置きながら、私達SMASSEスタッフは 授業案や教材の開発に取り組んでいるのです。
ASEI授業の具体例を徳田専門家が簡単にご紹介します。 ここをクリックして下さい。
ASEI授業を具体化するために便利な、あるいは不可欠な、教材や学習機材の開発を進めています。 ナイロビのような大都会でなくとも、入手可能な材料を用いて簡単に作成でき、 授業内容の核心をつく理論を視覚的に説明可能な教材を目指して、 INSETでの研修員の意見も取り入れながら改良を重ねています。
いわゆる学生を対象とした研修:Pre-Serivice Trainingではなく、 現職教員を対象とした研修をIn-Service Training(= INSET)と呼んで区別します。
本プロジェクトでは、ケニア中等教育におけるINSETの設立・実施を行っており、 我々が提唱するASEI授業をプロジェクト対象地区に広く普及させるための第一段階として 中央研修がKSTCにおいて実施されます。これを中央INSETと呼んでいます。
中央INSETは、大学も中等学校も休みになる4月と8月に、 それぞれ9地区と6地区の地方教員(地方トレーナー)を対象として、2週間に渡って開催されます。 各地区からは4教科×4人=16人が参加しますので、 年間では(9地区 + 6地区)×16人=240人が、KSTC学生寮に泊まり込み、互いに親睦を深めたり、 情報交換を行いながら、切磋琢磨しています。 (以上、2003年6月以前の開催パターン、今後については検討中)
これまで4回の中央INSETを開催しましたが、地方から選ばれて参加するメンバーは 1回目から4回目まで基本的に変えないこととし、逆にINSETの内容を基礎から応用へと 段階的にグレードアップさせることにより、一通りの研修内容を終えました。 出席率の良い参加者には、修了証書を授与したところです。
中央研修のカリキュラムについて、徳田専門家が詳しくご紹介します。 ここをクリックして下さい。
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Mr.Waitituによるプレゼンテーション
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熱心な参加者達
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白衣を着て少々緊張気味? |
研修を終わってリラックス |
ナイロビのKSTC(教員養成大学)において行われた中央INSETを受け、 その参加者が今度は各地に帰って研修を実施する地方トレーナーとなり、 同じ内容を地域の現職教員へ伝えるべく、地方INSETが開催されます。
こうして中央INSETから発信された研修内容は、地方へと広がります。 これまでの実績では、全国で約3000人の現職理数科教員がSMASSEのINSETに 参加したことになっています。
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280人もの参加者があったKiambu地区のINSET
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実験を取り入れた授業の研究
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実際の生徒を前にした |
地方INSETの開催中や普段の授業が行われている時期に、 自然に近い状況を見るため事前の通報をせずに、SMASSEのスタッフが地方に出かけ、 研修や授業が我々の意図する内容で行われているかどうか確かめます。
評価は研修の計画性、講義自体の質、研修全体の実施運営能力をはじめ、 研修施設や供与資機材の使用状況、さらには食事内容という細部にいたるところまで行われ、 最終的には報告書の形にまとめられて今後の地方研修の質の向上に役立てられます。
アンケートを用意したり、インタビューを行ったり、 現場の教員や生徒の態度やINSETの評判等をそれとなく聞き出したりするなど、 地方研修の雰囲気を肌で感じることも、重要な情報の一つです。
こうした活動を通じて、プロジェクト活動が対象地区の中等理数科教育に及ぼした 影響を測定し、研修内容の質を確認し、プロジェクト活動全体のさらなる改善を 目指すと同時に、日本の納税者に対する説明責任をも果たしています。
また、SMASSEスタッフにとって、地方研修で講師を務めている地方研修員は、 中央研修では自分たちの生徒に当たり、地方研修は自分たちの実施した中央研修の 真価が問われる場とも言えます。観察した中には今後の中央研修において参考になることや、 逆に自分たちの意図していたことと違うことが行われることもあり、 時には感心し、時には落胆したりしながら、非常に熱心に評価活動を行っています。
モニタリング・評価活動についてもう少し詳しく服部専門家がご紹介します。 ここをクリックして下さい。
現在、マクエニ地区にグループとして派遣されているJOCV理数科教師隊員とは、 不定期に意見交換の場を持っています。
本プロジェクトの実施する地方INSETに隊員やその同僚教師が参加したり、 勤務学校でのINSETの評判を隊員からフィードバックしていただいたり、 隊員の行った学力調査をSMASSE内で発表していただいたりと、 それぞれの立場からケニアの中等教育に携わる経験・情報を持ち寄り、 お互いに有益な意見・情報交換を行っています。
また、平成14年7月からは、新赴任隊員に対するケニア教育事情 オリエンテーションを実施しており、相互理解に大変役立っています。
プロジェクトとしては、協力隊の持つケニア教育現場からの情報が INSETの研修内容をより良くするために大変有益であると位置づけており、 また、全国展開という面的拡大を果たすためにも協力隊員との連携活動は 大きな戦力であり、今後も緩やかかつ誠実な関係を保っていきたいと考えています。
なお、今後は近隣諸国の理数科教師隊員とその同僚教員達にもASEI&PDSIアプローチを紹介すべく、 JOCVの任国外研修旅行先としてSMASSEプロジェクトを検討してもらえるよう、 JOCV向け研修コースの設置を進めていくつもりです(2004年8月に第1回を試行し、合計35名が参加しました)。
3-8 出版活動
前述の広報活動とも関連しますが、今後、これまでのSMASSEの活動の中 から産まれた知的生産品をどんどん出版していきたいと思います。 具体的には下記のような成果をきちんとまとめて印刷・製本し、 広く配布して(出来れば販売して)、その価値を世に問うていきたいと 構想しています。
こうした活動を継続的に続け、その出版物の内容を常に最新でよりよいものに するよう磨き上げていけば、SMASSEの研修内容はより良いものになっていくでしょうし (プロジェクト活動の品質管理に貢献!)、 この事業が軌道に乗れば、その利益がSMASSEの研修事業を金銭的にも サポートできる可能性(プロジェクト活動の継続性にも貢献!)さえあります。